インフルエンザとお口のケア
コロナが流行しており、皆さんがマスクやうがい手洗いを必須としているせいか、インフルエンザの流行については、以前の冬のようには騒がれていないようにも見えます。去年は確かにインフルエンザよりコロナが流行していたため、下火にも見えましたが、今年はどうなるかわからない状況ですね。欧州ではインフルエンザが流行しているとのことで、海外との往来が増えていけば、今後インフルエンザの流行もありえるでしょう。
さて、インフルエンザとお口の中の汚れに関係があるのはご存知でしょうか。虫歯や歯周病の疾患のある方や、お口の清掃が不十分な人はインフルエンザに罹りやすい、また重篤になることが証明されています。
鼻や口から体に入ったウィルスは、鼻腔や咽頭などの粘膜に付着し、粘膜の細胞に入り込みます。細胞に入ったウィルスは増殖し、インフルエンザが発症します。
お口の中には、数百種類の細菌が住み着いていますが、その細菌たちは、唾液や歯と歯茎の間からしみ出る体液を餌に増殖しています。お口の清掃が不十分ですと、細菌数は数千億にもなります。歯の表面につくられるプラーク(歯垢)はバイオフィルムという細菌と細菌が出す酵素の塊を形成します。そこから発生する酵素は粘膜を保護している膜を溶かし、細胞が露出するため、ウィルスがより細胞に入りやすくなります。
お口の中の細菌が増えることにより、細胞がインフルエンザウィルスの攻撃を受けやすくなるわけですから、まずは、お口の中の細菌を減らすことが重要となります。普段の歯磨きをしっかり行い、歯磨きでは落としきれなくなってしまった汚れについては、歯科医院で、しっかり落としてもらいましょう。
意外なところで、インフルエンザとお口の汚れが関係しております。インフルエンザの予防のためにも定期検診に是非お越しください。